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【中村院長】残念なこと

最近起こる残念なことは、ICLを抜去して元に戻したいという患者様がいらっしゃることである。1000人に1人くらいの稀なことではあるが、高い費用を払ってまで受けた手術にも関わらず、このような結果になってしまった患者様を気の毒に思う。

理由としては、術後から見え方に馴染まず、頭痛がする、気持ちが悪い、スッキリしないといったような、いわゆる「不定愁訴」という他人にはわかりづらい症状からである。けっして過矯正になっているわけでもなく、手術は予定通り完璧にいっているのであるが、不適応というもので、これは避けられないことなのかもしれない。

さて、目玉ちゃんネルでも解説しているように、技術的には入れるより取り出すほうが10倍以上難しい。目にも少なからず負担がかかる。しかし、元に戻せないレーシックと比べると、元に戻せることがICLのメリットなのであろう。

我々も患者様の目には細心の注意を払って、手術前の検査に始まり全てにおいてベストを尽くしている。だから、完璧な結果を得たと思った矢先に抜いて欲しいと言われると、少しやり切れない気持ちにはなる。患者様はもっと苦しんでおられるのであろうが。

丹精込めて完璧に作り上げた建物を壊して更地に戻すような、そんな空虚感を味わうことは避けたい。事前のお話の中で、何とか察知できないものかと思案している。
 

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