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【中村院長】始末

先日テレビで大阪の商人の3つの心得のことが話題になっていました。それは「始末」「算用」「才覚」だそうです。井原西鶴はそれに「信用」加えて、その重要性を説いていたそうです。たしかになるほど、商売の本質とはどんな時代にも同じなのだなと感じ入りました。

さて、「始末」というと、一般的には、「始末しておいて」「始末に負えない」など、否定的な言葉として使われているように感じます。しかし、辞書をひくと、「物事の始めと終わり。始めから終わりまでの細かい事情、または成り行き」「ある物事の最終的な状況。とくに、よくない結果」「物事の締めくくりをつけること。後片付けをすること」「浪費をしないように気をつけること」などと書かれています。

要するに始末というのは「始」と「末」、すなわち物事の始めと終わりのことで、商売においては「経済活動における一貫した計画性」というのが本来の意味だったようです。つまりは計画性と無駄を省く合理性から「質素」と「倹約」まで、広く意味するようになったのでしょう。

大阪人はがめついとか、ケチとか言われますが、実のところこれがその本質だったようですね。そういう我々名古屋人も一緒で、昔の名古屋のお金持ちは、広いお屋敷に住んでいてもほとんど家の灯りはつけずに小さな部屋に籠って質素に暮らし、でもお金を使う時には見栄をはってバンと使うと言います。名古屋の嫁入りは有名ですが、いつもは質素倹約しての豪華さなのでしょうね。

いずれにせよ、この始末ということは現代にも通じる大切なことです。今の若者はコスパ重視と言われていますが、彼らは賢く、価値のあるものだけにお金を使います。つまりは、始末をしっかりしているということ。
そんな私も、つい余計なものを買ってしまいがちですが、しっかりと始末をつけて、これからも価値のあるものだけに投資していきたいと思っています。

 

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