【吉田副院長】「調節機能解析装置」について

最近、「調節機能解析装置」を希望される患者様が多く来院されています。また、多くのお問い合わせもいただいております。不思議に思っていたところ、NHKの健康番組で取り上げられたということです。残念ながら、私は番組を見ることができなかったのですが、「調節機能解析装置」を使用した眼鏡処方という内容の番組だったようです。
「調節機能解析装置」というのは目の調節力（カメラでいうオートフォーカス機能）を測定するための機械です。主に眼精疲労、調節緊張、調節痙攣などの調節力に異常を伴う病気の方やその疑いがある方に行う検査の際に使用します。
ちょっと難しい話になりますが、無限遠よりも少し遠い距離（雲霧空間）から実用的な33センチメートルの間に呈示される視標にどれだけ正しくピントが合わせられるか（調節反応量）、ピント合わせのために毛様体筋にどの程度負担が掛かっているのかを定量的に測定します。
眼鏡を処方する場合、視力検査や屈折検査という目の度数を測定する機器など複数の検査を行い、患者様のご要望をお聞きしながら年齢や用途に応じて処方を行います。眼鏡を合わせる時に一番大切なことは、何に使うための眼鏡なのかを正確に伝えていただくことだと思っています。運転用なのか、パソコンが見たいのか、趣味が手芸などかなり細かいことをされるかどうかなどです。
テスト用のレンズを装用して試す時は、用途に応じた距離を見ることがとても大切です。遠くだけではなく近くを見る時間が長い場合、必要な距離を必ず見て確認してください。遠くがよく見える眼鏡で近い距離を見る場合、毛様体筋に大きな負担をかけてしまいます。疲れないためには、毛様体筋にできるだけ負担を掛けないで、見たい距離を長時間見続けられることが大切です。
眼鏡処方の際に「調節機能解析装置」で検査をしていないからといって、必ずしも悪い眼鏡というわけではありませんので、必要以上に心配される必要はありません。
昨日も、番組を見て受診された患者様がいらっしゃいましたが、コラムを書くにあたって調べてみると番組は放映されて1ヶ月半経過していたようです。昨今「テレビ離れ」と言われていますが、改めてテレビの影響力を実感致しました。