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【吉田則彦医師】網膜硝子体手術

今回は、私が担当している網膜硝子体手術についてお話しします。

まず、モノが見える仕組みを簡単にご説明します。
光は瞳孔から目の中に入り、眼球内部に満たされている硝子体を通過したあと、奥にある網膜に収束します。
網膜は受け取った光を電気信号に転換し、その情報を脳に送ります。
そして脳が視覚として映像を感知することで、人はモノを「見る」ことができます。

硝子体や網膜は、加齢や疾患によって問題が生じることがあります。
例えば、網膜から出血して眼球内に血液が溜まってしまう「硝子体出血」や網膜が眼球壁からはがれてしまう「網膜剥離」などがあります。
これらは進行すると不可逆的な視力障害や失明に至る可能性がありますので、手術的治療が必要になります。
そのような場合に硝子体手術を行います。

硝子体手術は、眼球内部に細い器具を挿入し、硝子体を取り出したり、出血を除去したり、網膜をくっつけたりする手術なのですが、そのためには
まずは目の中を観察しなくてはなりません。

では、実際どうやって目の中を観察するかご存じですか?
術者は、患者様の瞳孔を通して目の中を観察します。ちょうど、のぞき穴から内部を観察するイメージです。
しかし瞳孔が小さい(のぞき穴が小さい)場合、とても見にくい。そんな時はどうすれば良いでしょうか?

最近ではとても便利な広角眼底観察システムという機械があります。これは小さなのぞき穴であっても、特殊なレンズを介することで、内部の広い範囲を観察することができるものです。
優れた画質で視認性が良いため、精度の高い手術を行うために必要なシステムです。
しかし、それを用いたとしても、虹彩の裏側などは観察できない。このシステムだけではどうしても見ることができない「死角」が存在します。

そのような場合はどうしたら良いでしょうか?
胃カメラとか大腸ファイバーなどの「内視鏡」という言葉を聞いたことはありませんか?

これは、細い管の先端にカメラがついていて、それを消化管の中に挿入していき、胃や腸の内壁を直に観察する機械で、およそ5~10mmの太さです。
消化器内科だけでなく、実は眼科にも内視鏡があります。眼球の中に入れて観察するので、太さは0.4~0.5mmです。1㎜の半分!とても細いです。
直接観察するので瞳孔を通して中を観察するのと違い、「死角」がありませんので有用です。
ただし、眼内視鏡は特殊なテクニックを必要としますので、残念ながらあまり普及していないが実情です。

私たちは、この眼内視鏡と広角眼底観察システムの2つの観察系を駆使して、その両方の長所を活かし、手術を行います。
これが名古屋アイクリニックで行う硝子体手術の特徴です。

私が専門としている網膜いおける硝子体手術の「観察システム」についてお話ししました。

 

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