【水野医師】子どもの近視
新緑が美しい季節となりました。青空に舞う鯉のぼりを見るたびに、どの子も健やかに大きくなるといいなと思います。
さて、昔に比べ子どもの近視は急増しています。近視の原因には遺伝的要素と環境的要素があります。遺伝的なものは変えられませんが、環境的要素は、ゲーム等の時間を制限する、適度な明るさと正しい姿勢で読書や勉強などの近業作業をする、外で遊ぶ、など気をつけることができます。
しかし、一旦ある程度近視が進み見にくくなった場合は、眼鏡等での矯正が必要です。近視がどんどん進んで強度近視になると、緑内障や白内障、網膜疾患等のリスクが高くなってしまうので、それ以上進まないようできる限り予防したいところです。
近年、近視の進行抑制に対する研究が多く行われ、低濃度アトロピン点眼、オルソケラトロジー、MCレンズ等が有効であることが分かっています。いずれも当院で行っている治療法ですので、お気軽にご相談ください。また、最近は可視光と紫外光の中間にあたる波長380nmのバイオレットライトに眼軸長変化を抑制する可能性が指摘されており、今後は使用する眼鏡やコンタクトレンズ、ライトが通す光の波長にも注意が必要かもしれません。
ちなみに、私自身も子どもの頃から近視があり、小学4年生で眼鏡をかけ、中学からコンタクトも使用していました。7年前にLASIKを受けて以降は裸眼で快適に過ごしています。大人になればLASIKやReLEx SMILE、ICLなど手術で屈折矯正をすることも可能です。このとき注意しておきたいのは、手術で近視がなくなっても元の眼球の形は変わりませんので、術前に強度近視だった方は、その後もそれに伴うリスクがあるということです。
我が家の小学4年生の娘は、暇さえあれば外でひたすら遊び回っていたお陰か、今のところ近視はありません。ただ、進級に伴い以前ほど戸外で遊ぶ時間がなくなり、家の中でボールをバシバシ蹴るので、それだけはやめてほしいと強く思う今日この頃です。
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